鍼治療のメカニズム
人体には数種類の機械的受容器(レセプター)といわれるものが、
皮膚や筋肉、腱、関節などに分布しています。ここで受け取った情報は脊髄から脳に伝えられ、
脳で情報を統合して身体に反応を与えます。
まず、鍼と指圧では刺激に反応するレセプターに違いがあります。
鍼による刺激ではポリモーダル受容器というものが反応を起こすと言われています。
ポリモーダル受容器は炎症や疼痛を誘発する物質に対して強く働きます。
鍼治療では実際に炎症や疼痛がなくても皮膚や筋に微細な刺激を与えることによって、
ポリモーダル受容器を反応させて脳から鎮痛物質を放出させています。
鍼での刺激はすべて脳で処理されるわけでなく、脊髄に中枢が存在するものもあります。
脊髄には頚髄と仙髄には副交感神経、胸髄には交感神経が分布しているため、
鍼治療の効果として自律神経や内臓にも効果を与えることができます。
その他にも痛みなどによって交感神経が優位になると血管が収縮して
血流不全が起こり筋肉が緊張してしまいます。
その緊張してしまっている筋肉に対して、選択的に電気を流してポンプ作用を促したり、
皮膚の反射によって放出される物質で血管を拡張させて血流改善も期待できます。